「toC営業とtoB営業って何が違うの?」
「toC営業のコツをなかなか掴めなくて辛い」
このように悩んでいる営業担当者の方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
toC営業とtoB営業は取引相手の種類、営業フローなどに違いがあります。
意識すべきポイントも異なるので、toB営業の感覚でtoC営業を行っても上手くいきません。
今回の記事では、toC営業とtoB営業の共通点や違い、toC営業を成功させるコツについて解説します。
toC営業に何かしらの課題感をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
toB営業とtoC営業の共通点・違い
toB営業とtoC営業では、対象となる顧客の種類、商材、顧客数などに違いがあります。
一方で、営業の大まかな流れは同じで、顧客の信頼を勝ち取るという点などは、共通しているのが特徴です。
toB営業とtoC営業の共通点と違いを把握しておくことで、営業職に対する理解度をさらに深められるでしょう。
toB営業とtoC営業の共通点
toB営業とtoC営業は違うものとして言及されることが多いですが、以下の共通点があります。
それぞれの共通点をチェックし、営業に対する理解度を深めましょう。
商材が同じことがある
toCの商材は、toBも別の会社が取り扱っているケースがあります。
具体例としては、以下のなどが挙げられるでしょう。
- ペットショップで直接顧客に販売する小売店(toC)
- 直接顧客に販売するメーカー(toC)と、小売店に卸す卸売会社やメーカー(toB)
toCの商材だからといって、toBで取り扱わないとは限らないので注意が必要です。
営業の大まかな流れは同じ
toC営業、toB営業に関係なく、
- ①顧客を見つける
- ②顧客と話して信頼を勝ち取る
- ③自社商品を買ってもらう
という流れは変わりません。
具体的には、以下のような流れになるでしょう。
toC営業 | toB営業 | |
---|---|---|
顧客を見つける | ・街頭でチラシを配る ・LINE公式アカウントで集客する | ・Facebook広告、リスティング広告で集客する ・YouTubeチャンネルを運用する |
顧客と話して 信頼を勝ち取る | ・飛び込み営業で顧客と接点を持つ ・スーパー等の商業施設で実演販売を行い、個別相談を実施する | ・商談日程をテレアポなどで取り付ける ・問い合わせで獲得した見込み顧客に対して商談を行う |
自社商品を買ってもらう | ・製品の魅力などを話し提案する ・雑談で信頼を勝ち取ったうえで提案する | ・顧客の課題に寄り添った提案をする ・製品やサービスの魅力を話し、クロージングをかける |
toC営業、toB営業で細かいアプローチ方法は異なりますが、大まかな流れは同じであることが分かります。
toB営業とtoC営業の違い
toB営業とtoC営業の違いとして、主に以下の4つが挙げられます。
ここまでの共通点とあわせて、チェックしておきましょう。
法人相手か個人相手か
- BtoBは、対「法人」(Business to Business)
- BtoCは、対「個人」(Business to Consumer)
販売する相手はいずれも人ですが、BtoBでは製品・サービスを会社が購入します。
一方でBtoCでは、商談相手である個人が購入するというのがBtoBとの違いです。
BtoBは複数の決裁者がいる場合もあるため、個人相手であるBtoCよりも成約に時間がかかりやすい傾向があります。
toB営業でしか取り扱わない商材がある
高度な精密機器、業務用の機械やサービスについては個人で購入するケースは少なく、toBでしか扱われない傾向があります。
例えば業務用の大型コピー機を個人に販売したとしても、扱いきれないため成約は難しいといえるでしょう。
また、法人と個人とでは資本力も異なるため、高額な商品やサービスは法人との取引が多いのが特徴です。
顧客数の違い
会社数よりも人間の方が多いことや、取引価格がtoCの方が低く障壁が少ないことから、toBよりもtoCの方が顧客数が多い傾向にあります。
資本力の少ない個人相手に営業して利益を出すためには、顧客数を増やす必要があるので当然の流れといえるでしょう。
toC営業は、toBよりも管理する顧客数が多くなりやすいので、より徹底した顧客管理が求められます。
営業フローの違い(決済者と営業対応の人が同じか)
toB営業ではtoC営業と異なり、決済者と営業を受けている人が異なる場合があります。
部下が営業スタッフと交渉し、上司が決済し契約するかどうか判断するというフローが、一定規模以上の企業であれば一般的です。
そのため、toB営業の方が成約に時間がかかりやすい傾向にあることを理解しておきましょう。
toC営業では、決裁者である個人が営業を受けるため、toB営業よりも成約スピードが早いのが特徴です。
toC営業でよくある失敗
toC営業でよくある失敗として、次のような例が挙げられます。
後に紹介する営業スキルとあわせて、営業の成功率を高めましょう
雑談ができずに顧客と仲良くなれない
営業の基本は、信用を得ることです。
特にtoC営業では、自分のメリットは当然、営業マンに対する印象も判断基準にして商品やサービスの購買決定を行います。
雑談などを多めに意識して、顧客と仲良くなり信用を勝ち取ることが何よりも大切です。
いくら交渉が上手かったとしても、コミュニケーション不足で心理的な壁を突破できないと、いつまで経っても成約に結びつきません。
日ごろのニュースなどを常にチェックして、話のネタを作っておくと良いでしょう。
人ではなく顧客として接してしまう
toC営業で相手を1人の顧客・お客様として捉えてしまうと、なかなか上手くいきません。
営業を行う際は、1人の人間として捉えて話を進めていきましょう。
- 「相手が生活でどのような悩みを持っているのか」
- 「どのような家族構成なのか」
- 「現在どんな仕事をしているのか?」
このように、相手がどのような生活を送っているのか想像できる質問をしていくと、自ずと相手の人間性が見えてきます。
自分のサービスの説明を行う前に、相手の人間像を割り出せるような質問を徹底しましょう。
顧客のビジョンや悩みを引き出せない
自分の話や商品の話を優先してしまうと、顧客の将来的なビジョンや悩みについての話題を引き出せません。相手の情報を引き出せないと、営業トークも展開しづらくなるのが難点です。
また、自分の話ばかりしていると押し売りのような印象を与えてしまい、相手からの信頼度も下がります。
成約率を1%でも高めるためにまずはヒアリングを優先して行い、相手の情報を聞き出すように心がけましょう。
toC営業に必要なスキルや心構え
toC営業には、以下のスキルや心構えが必要です。
いずれも重要なポイントなので、toC営業をするなら必ず押さえておきましょう。
人と仲良くなるスキル
営業としてビジネスライクに接するだけではなく、まず相手と仲良くなるという心構えが大事です。
仕事のことしか話さない営業スタッフは、個人の顧客からは敬遠されてしまいます。
顧客と仲良くなるために、以下のポイントを意識しましょう。
- 笑顔を意識する
- 話しやすい時事的な話題から入る
- ビジネスの話から入らない
まずは相手と友だちとなるような感覚で、信頼関係を構築するのが成約のカギです。
相手の感情や背景を読むスキル
個人の顧客と仲良くなるためには、ただ世間話をするだけでは意味がありません。
個人の顧客の場合、課題解決だけではなく情緒的な理由で購入することも多いからです。
相手の感情を読むためにはヒアリングを徹底するだけではなく、相手の経済や家庭の事情なども汲み取ったうえで、提案を行いましょう。
感情に対して訴求するスキル
感情を読み取ったとしてもそこに対して一押しがないと、相手は購入になかなか踏み切れません。
toCは顧客が多くさまざまな顧客層が考えられるため、いろんな訴求パターンを身につけることで幅広い顧客層の獲得につながります。
訴求パターンの例として、以下が挙げられるでしょう。
- 「この商品は今月まで30%オフで購入できます」
- 「この商品は在庫が限られており、残り〇個となっています」
- 「こちらのサービスですが、多くのお客様からご好評をいただいています」
訴求パターンについては自分でも考え、思いついたものをメモしてストックしておくと良いでしょう。
顧客は多いので質より量
toC営業は個人相手なので、顧客数はtoBと比べると多く存在します。
そのため、多くの顧客に対してアプローチすればするほど、成約率も上がるのがtoC営業の特徴です。
1日の件数が少ないと、その分成約するチャンスが減るので、訪問数も意識して営業することが大切です。
特に、新規営業を中心にしているのであれば、1日20~40件を目安に訪問してみましょう。
量は多くても一人一人を大切に
toC営業は多くの顧客数を抱える傾向にありますが、1人1人大切にしない限り営業の成功率は上がりません。
顧客を大事にする姿勢は、必ず相手に伝わると信じて営業しましょう。
1人1人の顧客の情報管理を行うためにも、ExcelやSFAなどのツールを活用することが大切です。
ツールで顧客情報を管理することで、1人1人のアプローチ方法が見えてきやすくなります。
顧客の心境変化や展開パターンを見極める
スキルとして相手の感情や状態を読み取ることは大切ですが、その根底にあるのは読み取ろうとする姿勢、心構えです。
日頃の営業活動からどういう時にお客様の感情が動くのか、どういう質問をしたらお客様の状態を知ることができるのかストックしておく必要があります。
突然、顧客の感情や状況のパターンを見極められるようにはならないので、焦らず経験を積み重ねながら学ぶことが重要です。
まとめ
toC営業はtoBの営業に比べて地道な一面もありますが、その分お客様との距離感が近かったりやりがいを感じやすい仕事です。
toC営業で活躍するスキルや心構えで大切なポイントとして、以下の4つが挙げられます。
- 顧客と仲良くなること
- 相手の感情を読み取ること
- 数を追いかけること
- 経験を積むこと
今回の記事では、toC営業を行ううえで大切なポイントを網羅的に解説しているので、実際に営業する際の参考にしてみてください。
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