「営業職って転職できるの?」
「営業職から転職するコツを教えてほしい」
このように悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
営業職で培ったコミュニケーション能力、提案能力は異業種でも高く評価される傾向があります。
ただし、転職する際は成功確率を上げるためには、事前に準備方法やコツを押さえておくことが大切です。
今回の記事では営業職から転職するコツ、転職しやすい職業、業界について解説します。
営業職から転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
営業職から転職はしやすい?
スキルを十分に身につけている営業職は、異業種へのスムーズな転職が可能です。
さらに細かい理由について、詳しく解説していきます。
営業職からの転職は有利になりやすい
営業職で優先して身に着けるべきスキルは、以下の4つです。
- 「コミュニケーション力」
- 「問題解決能力」
- 「ヒアリング力」
- 「提案力」
上記4つのスキルはどの業種でも必要とされるため、身についていると評価されやすくなります。
また、顧客の問題や課題を見つけて解決することであり「計画力」や「PDCAサイクルの効率化」の取得も重要です。
異業種でも必要とされるスキルを優先して身につけ、スムーズな転職を図りましょう。
越境転職は増加傾向にある
越境転職とは異業種、異職種間へ転職することを指します。
人材の不足などにより、越境転職は増加傾向にあるため転職のチャンスが広がっているといえるでしょう。
引用:リクルート
営業職では「異業種×異職種」「異職種×同業種」で70%を超えます。
営業職で培ったコミュニケーション能力や課題解決能力はどの業種でも高く評価されるので、転職しやすいといえるでしょう。
営業職から転職した方が良い人の特徴
営業職から転職した方が良い人の特徴として、以下の6つが挙げられます。
それぞれの特徴について確認しましょう。
ストレス耐性が低い
営業職は高いノルマを求められるため、精神的なプレッシャーがかかります。
特に新規営業の場合だと契約までにストレスを抱える場面も多いので、ストレス耐性が低いという自覚がある場合は早期の転職がおすすめです。
迅速なレスポンスに苦手意識がある
営業職は、顧客を抱えるごとにだんだんと手一杯になります。
迅速なレスポンス力、タスク管理能力がないとなかなか続けられません。
素早い対応ができない場合、営業職に向いていないといえるでしょう。
残業を望まない
営業職として働き続けていると抱える顧客数が多くなり、残業時間が伸びる傾向にあります。
さらにマネージャー職に昇格すると、チームや案件の管理に追われてさらに残業が伸びやすくなります。
なるべく定時で帰りたいと考えているのであれば、他の業種への転職を検討しましょう。
柔軟性に欠ける
営業職として働き続けるためには、柔軟性をもって動く必要があります。
特に顧客が増えてくるとマルチタスクになり、常に頭を働かせてそれぞれの顧客に適切な行動をすることが大切です。
あまり自分は柔軟性がないと感じているのであれば、営業職から転職することを検討しましょう。
プランニング能力に課題がある
営業職として契約を勝ち取るためには、高いプランニング能力が必要不可欠です。
プレゼンの方法はもちろん、準備段階から細かく考える必要があります。
営業をやってみてプレゼン、提案に苦手意識を感じたのであれば転職を検討しましょう。
年齢や経験などの序列を重んじる企業での勤務を望む
営業職は基本的に、営業成績によって評価されます。
売上が高い社員は出世できますが、成果が出せない方はいつまでも評価されません。
年齢や経験などの序列があり、ゆっくりと働きたい方は転職して自分にあった環境で働きましょう。
営業職から転職しやすい職種一覧
営業職から転職しやすい業種として、以下の6つがおすすめです。
おすすめな理由を踏まえて、順番に解説します。
企画・マーケティング
平均年収 | 約499万円 |
活かせる経験 | ・課題解決能力 ・リサーチ能力 ・ニーズ分析能力 |
企画・マーケティングでは、顧客目線でものごとを考えられる人材が常に求められます。
顧客目線でものごとを考え、ニーズを的確にとらえられる営業マンは、企画・マーケティングに転職しても活躍することが可能です。
「商品を作ってみたい」「売り方を0から設計してみたい」と考えている方は、企画・マーケティング職への転職を考えてみると良いでしょう。
販売・サービス
平均年収 | 約342万円 |
活かせる経験 | ・提案能力 ・コミュニケーション能力 ・課題解決能力 |
ショップ店員や受付担当を行う販売・セールスは、営業職と近い仕事内容です。
売上の達成を目標にしていることが多く、営業職からスムーズに転職できます。
顧客への提案力なども活かせるので、営業職から転職しやすい職業を探している方におすすめです。
コンサルタント
平均年収 | 約425万円 |
活かせる経験 | ・提案能力 ・コミュニケーション能力 ・課題解決能力 |
コンサルタントは、顧客の課題や悩みに寄り添い最適な提案を行う仕事です。
課題解決能力、コミュニケーション能力が求められるため、営業職の経験を活かしやすくなっています。
課題解決という目に見えないサービスを提供する仕事なので、無形商材の営業を行っている方にとって特にやりやすい仕事といえるでしょう。
人事・採用担当
平均年収 | 約440万円 |
活かせる経験 | ・目標達成意識 ・コミュニケーション能力 |
人事・採用担当は、人材を採用する会社の顔ともいえる職業です。
ただ人材を採用するだけではなく採用人数の目標達成、自社にあった人材の確保などさまざまな課題があります。
ノルマを達成する意識、高いコミュニケーション能力を持っている営業マンに向いている仕事といえるでしょう。
プロジェクトマネージャー
平均年収 | 約644万円 |
活かせる経験 | ・コミュニケーション能力 ・課題解決/改善能力 ・マネジメント能力 |
プロジェクトマネージャーは、各プロジェクトリーダーと連携を取りながら円滑に仕事を勧めていく仕事です。
平均給与は高い傾向にありますが、全体を見通して仕事を進める必要があるため、責任は重大です。
プロジェクトに問題があった場合は、全責任を負う必要があるので精神的なタフさも求められます。
営業・セールスコーディネーター
営業職から再び営業職を目指すのも1つの手段といえるでしょう。
無形商材営業から有形商材営業に変えたり、よりノルマが厳しい会社に転職したりと道はさまざまです。
自分のスキル、収入アップにつながる会社に転職をして、さらにモチベーションを高められると理想的です。
平均年収 | 約385万円 |
活かせる経験 | ・コミュニケーション能力 ・課題解決能力 ・論理的分析能力 |
営業職から転職しやすい業界一覧
営業職から転職しやすい業界として、以下の8つが挙げられます。
- コンサルティング
- インターネット
- 建設・不動産
- 生保・損保
- IT通信
- 人材
- 広告
- ベンチャー領域
実際のデータを確認しながら見ていきましょう。
コンサルティング
引用:リクルート
コンサルティング職は2016年から異業種採用が大幅に増えており、2017年からは7割台をキープしています。
実際にコンサルティング職は営業職と仕事内容が似ている部分も多く、転職しやすいのが特徴です。
平均給与や求められるスキルも高いので、営業職からのステップアップを目指す際に向いています。
現在の営業職で得られるものがないと感じている場合は、コンサルティング職への転職をしてみると良いでしょう。
インターネット
引用:リクルート
インターネット業界は異業種からの転職が多く、常に5~6割をキープしています。
特に広告代理店系の企業が目立っており、アカウントプランナーや広告運用者のニーズが増えているのが特徴です。
業界として将来性も高く、収入がアップする可能性も高いので、営業職からのステップアップを狙う際に向いている業界といえるでしょう。
建設・不動産
引用:リクルート
建設・不動産業界は、常に異業種からの転職率が4割近くをキープしています。
特にコンサルタントのニーズが非常に高く、優れた課題解決能力を持つ人材が求められているのが現状です。
平均給与が高い業界なので、収入アップを目指したいという営業マンにおすすめです。
生保・損保
引用:リクルート
生保・損保は異業種からの転職が多く、さまざまな人材を取り込んでいます。
特に営業職の需要は高く、コミュニケーション力、課題解決能力が高い人材が求められています。
ノルマが厳しい分、平均給与も高い傾向にあるので、実績で評価されたいという方におすすめの業界です。
IT通信
引用:リクルート
IT業界は業界全体で人手が不足しており、他業種からも積極的に採用を強化しています。
特にエンジニア人材は不足している傾向にあり、どの企業も採用を積極的に進めています。
営業から違うキャリアを目指したい場合は、エンジニア採用も検討してみると良いでしょう。
人材
人材業界は営業職の採用を強化しており、転職しやすい業界といえます。
コミュニケーション能力が強く求められる業界なので、優秀な営業マンを常に欲している業界です。
今後も需要の高い業界なので、転職を目指す場合は候補の1つとしてみると良いでしょう。
広告
広告業界は広告営業、広告プランナー、進行ディレクターなどさまざまな人材を募集しています。
営業職の経験を活かせる職業が多く、平均給与も高い傾向にあるのが特徴です。
スピーディな対応や高いコミュニケーション能力も求められるため、さらに自分のスキルを伸ばしたい方に向いています。
ベンチャー領域
ベンチャー領域は人手が不足しているケースが多く、参入しやすいのが特徴です。
0から事業に携われたり、昇格するスピードが高かったりと独自のメリットがあります。
自分のやりたいことを仕事で成し遂げていきたいと考えている方は、ベンチャー領域への転職を検討してみましょう。
営業職からの転職で重視されるポイント
営業職からの転職で重視されるポイントとして、以下の5つが挙げられます。
それぞれのポイントについて、見ていきましょう。
対人能力
職種によって異なりますが、コミュニケーションを強く重視する傾向があります。
そのぢごとでも様々な人と関わることが多いため、相手のニーズを把握し、適切な対応をしなければなりません。
特に進行管理やマネージャーに転職したいと考えている場合は、コミュニケーション能力を重点的に鍛える必要があります。
問題分析・解決能力
営業職は顧客の問題や課題を把握し、それを解決するための提案を行うのが仕事です。
問題分析・解決能力は、マーケティング、コンサルタントでも強く求められる能力となっています。
異業種への転職を考えているのであれば、問題分析・解決能力を伸ばす努力を意識しましょう。
自己管理能力
営業職で養うことが出来る自己管理能力は、どの業種でも必要なスキルです。
自己管理能力があることでスケジュールや目標管理、PDCAサイクルの徹底などにつながります。
チームのマネジメントする際のスキルにもつながるので、磨くべき能力の1つといえるでしょう。
キャッチアップ能力
営業職は顧客理解のために、商品やサービスについての知識を常にリサーチして情報を知っておく必要があります。
市場動向や競合情報などもキャッチアップしておくことで、顧客に適切な対応をすることが可能です。
そのため、新しい情報を素早く収集し、理解する力が必要です。
過去の営業成績
過去の実績として売上、新規顧客獲得数、顧客維持率などが挙げられます。
営業成績が優れていると、転職する際の強みになるでしょう。
特に新規顧客獲得数や顧客維持率は、顧客との信頼関係を築く能力があるかどうかを示す指標になります。
自分がどのような実績を持っているのか、スラスラといえるようにリストアップして明確化すると良いでしょう。
営業職から転職する際の自己PRの例文
営業職から転職する際の自己PRの例文として、以下の3パターンを紹介します。
- 実績・経験を活かした自己PR
- 転職先に求める条件をアピールする自己PR
- 転職先の職務内容に合わせた自己PR
営業職から転職しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
実績・経験を活かした自己PR
前職の営業職において顧客に積極的に提案を行い、毎期の売上目標を達成し社内で常に1位の営業成績を維持していました。
また、自分が得たノウハウをチーム内でも共有し、部下の育成も行っていました。
自分の実力を伸ばすだけではなく、育成やマネジメントも得意としているのが私の強みです。
転職先に求める条件をアピールする自己PR
前職で3年間培ったノウハウや経験を活かしたいという思いから、貴社に転職をしたいと考えるようになりました。
また、社員どうしで支えあい、足りない部分はチームで補っていくという貴社の理念に強く共感しています。私自身も前職でチームワークを何より大切にしていて、マネジメントも得意なのでお力になれる部分は大きいかと思います。
転職先の職務内容に合わせた自己PR
前職で培った提案能力、課題解決能力を活かし、貴社のマーケティング部門に貢献したいと考えています。営業職の経験を通じて、ニーズを探り出し解決することを常に意識していたので、お役に立てる部分は大きいと思います。
また、売上目標の設定や達成に伴うPDCAサイクルの構築も得意です。これらの経験を活かして、貴社のマーケティング戦略の策定や実行に貢献し、さらなる売上のアップにつなげます。
営業職から転職を成功させるコツ
営業職から転職を成功させるコツとして、以下のコツを意識することが大切です。
それぞれ順番に見ていきましょう。
転職理由を明確にする
なんとなく転職すると、自分とマッチせずに早期離職につながる恐れがあります。
自分の職歴に傷をつけないためにも、まずは転職理由を明確にして目的を見出しましょう。
スキルを身につけたいのか、収入を高めたいのかによって転職すべき業界や会社が変わります。
自分がなぜ転職したいのか明確にして、より円滑に転職活動ができるように準備しましょう。
転職市場調査を多角的に行う
営業職から異業種転職を果たしたい場合、転職市場調査を多角的に行って情報を1つでも多く集めましょう。
情報が不足していると転職する際の書類を作りこめないうえに、面接する際の受け応えも上手くできません。
異業種からの転職率・平均年収・転職するメリット・デメリットを洗い出して、情報を集めるのが大切です。
キャリアプランを明確にする
転職を考える場合、キャリアプランまで明確にする必要があります。
1年後、3年後、5年後、10年後までキャリアプランが明確にできていると、どのように働けばいいのかイメージが湧きやすくなります。
面接時にキャリアプランを問われることが多いので、具体的に考えておくと良いでしょう。
過去の実績を数字で伝える
営業職から転職する際、過去の実績を数字で具体的に伝えられると、選考の際に有利です。
人事から見てどのような人材かイメージしやすいので、書類審査も通りやすくなります。
面接時に強みを伝えることにもつながるため、自分が今までどのような実績を挙げてきたのか明確にしておきましょう。
転職エージェントや人材紹介会社を活用する
転職する際は自分の力だけではなく、転職エージェントや人材紹介会社を活用するとよりスムーズに転職しやすくなります。
転職エージェントや人材紹介会社の添削や推薦を受けられるため、より転職成功率がアップします。
また、非公開求人を紹介してもらえることも多いので、転職の幅を広げたい方にもおすすめです。
転職における退職時の注意事項
転職における退職時の注意事項として、以下の2つを必ず押さえておきましょう。
- 転職状況の進捗を共有する
- 必要書類の受領返却を忘れない
それぞれの詳細について解説します。
転職状況の進捗を共有する
転職エージェントや紹介会社を活用する場合は、転職状況の進捗を共有すると相手にとって親切です。
転職状況の進捗を共有することで、さらなるアドバイスを得られる場合もあります。
より円滑に転職を進めたいのであれば、転職状況の進捗共有を怠らないようにしましょう。
必要書類の受領返却を忘れない
必要書類の受領返却を忘れてしまうと、転職する際にトラブルが発生します。
以下の書類のチェックは早期に行っておきましょう。
【返却する書類】
- 社員証(入館証・IDカード・社章)
- 鍵・カードキー
- 名刺
- 業務で使用した機器・ツール(ノートパソコン、携帯電話、社用車など)
- 社内マニュアル・資料・データ
【受け取る書類】
- 退職証明書
- 源泉徴収票
- 年末調整関連書類(調整申告書等)
- 退職金受取の手続きに必要な書類
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
まとめ
営業マンから転職する際、スキルが十分にあれば異業種への転職は難しくありません。
むしろ有利に選考が進むこともあるので、自分のスキルセットや実績をスムーズに伝えられるようにしましょう。
ただし、準備や分析することがいくつかあるので、注意が必要です。
なんとなく転職するのではなく明確な意思を持ち、入念な準備のもとで転職活動を進めましょう。
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