「リスティング広告って何?」
「Googleのリスティング広告の出し方は?」
本記事では、Webマーケ担当者が抱えやすいこのようなお悩みを解決します。
リスティング広告は、短期的にWeb集客をしたい方、見込み顧客にアプローチしたい方、運用型広告に初挑戦したいという方にとって最適な手法です。
今回は、リスティング広告の意味や仕組み、出し方、メリットデメリット、運用ノウハウなどの最新情報をわかりやすく解説します。
経営層やマーケターの皆さんはもちろん、広告運用に興味がある全ての方に参考になる内容となっていますので、ぜひご覧ください。
リスティング広告とは?
ここでは最初に、リスティング広告とはどんなものなのか、5つに分類して詳しく解説していきます。
リスティング広告の概要
リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに応じて、検索結果画面の上部または下部に表示されるテキスト型広告のことを指します。
インターネット広告の一種で、「検索連動型広告」とも呼ばれます。
さらに理解しやすいように、検索エンジンの仕組みについても説明します。
まず、検索結果には2つの種類あり、以下の2つに分類されます。
- 自然検索(オーガニック検索)
- 有料検索(検索連動型リスティング広告)
上記の画像のように、自然検索は、有料検索に挟まれる形で表示されるのが特徴です。
有料検索(広告)の表示位置は、入札価格やクリック率などの複数の要素によって決まります。
さらに、有料検索には、タイトルと一緒に「広告」「スポンサー」の表示がされる特徴があります。
この仕組みにより、見込み顧客の検索結果をもとにして、広告を個別に表示できるため、他のWeb マーケティング手法に比べ、精度高くアプローチできると言われています。
リスティング広告の掲載媒体
リスティング広告を掲載する媒体として、「Google」と「Yahoo!」が一般的です。
Googleでは「Google広告(旧称:Google AdWords)」、Yahoo!では「検索広告」というメニュー名でリスティング広告を管理します。
これらの媒体に加えて、GoogleやYahoo!と提携している他の検索エンジン(検索パートナー)の検索結果にも広告を表示させることができます。
掲載媒体 | Yahoo! | |
---|---|---|
検索サイト | Google Play Googleマップなど | Yahoo!ニュース Yahoo!オークション |
検索パートナー | BIGLOBE goo など | 朝日新聞 DIGITAL DIAMOND onlineなど |
また下記の通り、媒体ごとにも特徴が存在します。
Googleはスマートフォンユーザーが多い傾向にあり、Yahoo!はPCユーザーが多い傾向があります。
媒体 | ユーザーの特徴 | 商材の特徴 | シェア率 |
---|---|---|---|
スマートフォンユーザーが多い | 若年層向け商材が多い | 75% | |
Yahoo! | PCユーザーが多い | 高額商材が多い | 13% |
さらに、日本国内での検索エンジンのシェアはGoogleが75%を占めているため、まずはGoogle広告からリスティング広告をスタートさせることがおすすめです。
ただし、予算に余裕がある場合はYahoo!も併用して始めることで、より広い範囲で効果的な広告展開が可能です。
リスティング広告の掲載フォーマット
リスティング広告は基本的にテキスト形式で構成されます。
原稿フォーマットは、以下の3つの要素で構成されます。
- 広告見出し
- リンク先のURL
- 説明文
さらに、上記のフォーマットに加え、オプションでその他の情報も表示することができます。
オプションで表示できるのは、主に下記の内容です。
- 電話番号
- サイトリンク
- 住所
- 価格
- 画像
- アプリリンク
- プロモーション(「期間限定」等)
また、Google広告には「ショッピング広告」というメニューが存在します。
ショッピング広告は、商品の名称と画像、価格、セール情報などを記載できる広告で、通常のリスティング広告よりも上部に掲載されます。
商品を直接表示するため、ECサイトの商品販売に特化した効果的な広告として利用されることが多いです。
リスティング広告はこれらのフォーマットに沿って、限られたスペースで効果的な広告コピーを作成する必要があります。
各媒体の文字数の制限や使用できる文字や記号にも注意しながら、ターゲット層に合った魅力的な広告を作成することが重要です。
ディスプレイ広告との比較
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ上の広告枠に掲載される広告のことを指します。
画像や動画を用いて、商品やサービスを視覚的にアピールすることができる点が特徴です。
▼Yahoo!のディスプレイ広告の一例
そして、ディスプレイ広告とリスティング広告の違いは下記の通りです。
広告タイプ | 掲載場所 | 掲載内容 | 役割 |
---|---|---|---|
ディスプレイ広告 | Webサイトやアプリの広告枠 | テキスト、画像、動画など多様なコンテンツ | 潜在層の認知・興味を促進 |
リスティング広告 | 検索結果画面 | 主にテキスト広告 | 顕在層をピンポイントで狙う |
Webマーケ担当者は、それぞれの特性をよく理解して、効果的に使い分けることが求められます。
商品の認知を広げるために、潜在層へアプローチしたい場合は、ディスプレイ広告を配信すると良いでしょう。
一方で、購買意欲の高い顕在層へのピンポイントなアプローチが必要な場合は、リスティング広告が適しています。
SEO(自然検索)との比較
SEOとリスティング広告は、Webマーケティングの手法として比較されますが、それぞれ異なる特性を持っています。
「SEO」とは、“検索エンジン最適化”を意味し、Webページを検索結果で上位表示させ、検索流入数の増加、リード獲得などを目指す一連の取り組みのことを指します。
しかし、ここでの検索結果は広告枠ではなく、自然検索(オーガニック検索)枠が対象となります。
リスティング広告との違いは下記の通りです。
SEO | リスティング広告 | |
---|---|---|
費用 | 無料 | 有料 |
ブランディング特性 | 検索上位により発揮 | 費用をかけることで発揮 |
即効性 | 最短即日 | 半年以上は妥当 |
資産性 | あり | なし |
SEOとリスティング広告の違いについては、下記の記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
リスティング広告のメリット5つ
続いては、リスティング広告の魅力を5つにまとめてご紹介します。
即効性が高く、柔軟に配信操作ができる
リスティング広告は、上記でも触れたように即効性に優れています。
掲載順位はオークション制で決まり、入札金額や関連性次第ですぐに検索上位を狙うことが出来ます。
そのため、需要が高まる時期やセールスイベントに合わせて出稿することが可能です。
また、広告内容や入札金額の修正、広告配信の停止・再開などをリアルタイムで行えるため、柔軟な広告運用が可能なのも大きな魅力です。
購買意欲が明確な顧客にアプローチできる
リスティング広告は、特定のキーワードで検索したユーザーに対して広告を表示するため、購買意欲が高い顕在層にピンポイントでアプローチできます。
ユーザーが求めている情報や商品と親和性の高い広告を提示することで、コンバージョン率(CVR)向上に繋がります。
このように、ターゲットを絞り込んだ確度の高いマーケティングがリスティング広告では可能です。
低予算で自由な出稿が可能
リスティング広告は、低予算でも広告出稿が可能な広告手法です。
クリックされた際にのみ費用が発生するクリック課金制のため、無駄な広告費を抑えることができます。
さらに、テキスト型広告であるため、社内にクリエイターがいない場合でも、テキストを入力するだけですぐに広告を出稿することができます。
予算の上限は自由に設定できるため、自社の状況に合わせて必要な分だけ広告運用ができます。
最低予算約1000円からでも始めることが可能なので、手軽で効果的な広告手法と言えるでしょう。
リアルタイムで分析・改善ができる
リスティング広告は、広告運用中の成果をリアルタイムで確認できるため、効果の分析や改善がスピード感をもって行えます。
広告成果を可視化して問題点を洗い出すことで、広告文やターゲティング、予算の調整が四六時中可能です。
最適な広告運用を実現するためのデータに基づいた判断が行えるでしょう。
自然検索よりも上位に表示できる
リスティング広告は、検索結果において自然検索で表示されるコンテンツよりも、上部に目立つ形で表示されるため、目に留まりやすくなります。
一般的なユーザーは、比較検討する際に上から順番に情報収集して購買決定をする傾向があります。
多くのユーザーが検索エンジンを利用する中、リスティング広告を活用することでSEO対策をせずに広範なユーザーと接点をもつことが可能になります。
リスティング広告のデメリット5つ
リスティング広告は魅力的な広告手法として多くの企業が利用していますが、その一方でデメリットも存在します。
特に運用担当者の方は、以下の5つの注意点を必ず確認しておきましょう。
基本的にテキストなので視覚的訴求ができない
リスティング広告のフォーマットは、基本的にテキストで構成されるため、SNS広告やディスプレイ広告のように、動画や画像を用いて魅力を訴求することはできません。
そのため、視覚的な訴求が重要な商材(ファッションや食品など)の場合には、別の広告手法を検討する必要があります。
しかし裏を返せば、デザイナーが社内にいない事で画像を作れないという企業にとっては、とても便利な広告手法です。
「広告・PR」の表記を避けるユーザーがいる
一部のユーザーは広告に対してネガティブなイメージをもち、「広告」「PR」と記載された情報は避けられてしまう可能性があります。
しかし、彼らも購買意欲のある潜在層であることには変わりありません。
彼らの検索ニーズを上手く捉えた情報であれば、きっと見てくれるはずです。
広告を避けるユーザーへの訴求も考慮して、表現内容に注意して作成することが求められます。
潜在顧客への認知拡大には不向き
リスティング広告は特定のキーワードでピンポイントにアプローチする手法なので、まだ悩みや課題が顕在化していない潜在顧客に対しては効果が薄い場合があります。
潜在顧客への認知拡大を重視する場合は、ディスプレイ広告やSNS広告、YouTube広告などの方が適しています。
マーケティングファネルを意識して、状況に応じて使い分ける事が重要です。
継続的な運用コストがかかる
リスティング広告を継続的に配信し続けるためには、地道な広告成果の分析と施策改善コストが必要不可欠です。
そして、そのための知識やスキル、予算が必要になるため、頻繁にアップデートされるリスティング広告の最新情報をキャッチアップしなければなりません。
キーワードやターゲット、広告コピーの見直しを都度行うことで、無駄な費用を抑えて効果的な運用を目指しましょう。
競合が多いキーワードはクリック単価が高い
リスティング広告はオークション制で1クリックあたりの単価が決まるため、特に人気のあるキーワード(ビッグキーワード)は競合数が多く、クリック単価が高騰する傾向があります。
狙いたいキーワードによっては、予算内で思った回数の広告表示ができないなどの問題が発生するケースがあります。
そのため、ビッグキーワードを選ぶ際は、複数の単語を掛け合わせると良いでしょう。
例えば、「営業代行会社」は競合が多く、クリック単価が高いキーワードですが、関東の会社であれば「営業代行会社 関東」「営業代行会社 比較 東京」といったキーワードに絞ることで、単価を格段に抑えることができます。
また、ビッグキーワードだけでなく、競合他社が気づいていないニッチなキーワードを見つけることも重要です。
しかし注意点として、ニッチで流入数自体が少ないキーワードだと成果に限界があり、頭打ちしてしまうというデメリットも存在します。
【入門】リスティング広告の予備知識
ここまでは、リスティング広告の基本的な概要から、メリットとデメリットをご紹介しました。
以上を踏まえて、実際にリスティング広告に挑戦したいという方に向けて、以下では運用において必要不可欠な予備知識を解説します。
リスティング広告と相性の良い商材
購買意欲が高い顕在層に柔軟にアプローチできるリスティング広告は、下記のような特徴に当てはまる商材は特に相性が良いと言えます。
- 即日利用が可能なサービス(ネイルサロン、美容院など)
- 高額商材(ハイブランド品、不動産など)
- リピートが見込める商品(サプリメント、化粧品など)
- 特定の地域に特化した商品(ローカルフード、観光施設など)
- 季節やイベントに関連する商品(クリスマスギフト、バレンタインチョコなど)
これらの特徴を持つ商材やサービスは、リスティング広告を上手に活用することで、より効果的な広告運用が可能となります。
最初に覚えておきたい用語集
リスティング広告を始めるにあたって、最初につまづきやすいのが用語です。
効果分析で使用する重要な用語については、最低限理解しておくことが必要です。
下記の用語集を活用して、一通り覚えておきましょう。
指標 | 内容 |
---|---|
インプレッション (IMP) | 広告が表示された回数のことを指します。広告の露出回数を示す重要な指標です。 |
クリック率 (CTR) | 広告が表示された回数に対して実際にクリックされた割合のことを示します。 CTRの高い広告は、ユーザーにアプローチできていると評価されます。 |
クリック数 (CTs) | 広告がクリックされた回数を表します。 CTR(クリック率)とともに広告のクリック効果を把握する際に重要な要素です。 |
平均クリック単価 (CPC) | 広告1クリックにかかる平均費用を示します。 費用対効果を把握する際に重要な指標です。 |
コンバージョン (CV) | 広告がクリックされ、目標のアクション(購入や問い合わせなど)に至った回数を指します。 |
コンバージョン率 (CVR) | 広告がクリックされた回数に対して目標のアクションに繋がった割合を示します。 |
コンバージョン単価 (CPA) | 1CVを獲得するためにかかった費用を表します。 |
ROI | 投資利益率と略され、投資した広告費に対しての利益率を示す成果指標です。 |
ROAS | 投資利益率と略され、投資した広告費に対しての売上率を示す成果指標です。 |
広告ランク | 広告の品質スコアと入札単価に基づいて算出される指標です。 広告ランクが高いほど広告の表示順位が上がり、クリック率が向上する傾向があります。 |
品質スコア | ユーザーと広告・キーワードの関連性を10段階で評価した指標です。 広告ランクの算出に影響します。 |
インプレッションシェア | 広告表示機会の総数に対して、実際に広告が表示された回数の割合を表します。 |
検索クエリ | ユーザーが検索窓に入力した実際の語句や単語を指します。 |
注意事項を確認しておこう
リスティング広告を効果的に運用するためには、注意すべきポイントがあります。
ここでは、重要な2つの注意点について詳しく見ていきましょう。
注意点1:入稿規定やポリシーを順守する
リスティング広告を始める際、まずは各広告プラットフォームの入稿規定を理解し、用件を満たす必要があります。
【Google|編集基準と表現を一部抜粋】
引用:Google 広告のポリシー – Google 広告ポリシー ヘルプ
内容、表現上の要件を満たしていない宣伝の例:
・あいまいな表現(例: 「ここで商品を購入」)を使った一般的すぎる広告
・単語、数字、文字、句読点、記号を人目を引く目的で使用した表現
【Yahoo!|入稿規定を一部抜粋】 | |
---|---|
タイトル | タイトル1本につき30文字以内 |
説明文 | 説明文1本につき90文字以内 |
カウント方法 | 全角:2文字 半角英数記号:1文字 |
リスティング広告の運用を開始する前に、必ず広告会社の入稿規定やポリシーを確認し、遵守するように心掛けましょう。
注意点2:他社のサービス名は商標権を侵害する可能性がある
リスティング広告の文章に、他社の商標登録されているサービス名を含めることには注意が必要です。商標権を侵害する可能性があるため、競合他社のサービス名を広告文に含めることは避けるべきです。
もし商標を使用したい場合は、事前に商標権者に連絡し、使用許諾を得るよう努めましょう。
また、一部の検索エンジンでは商標をキーワードに使用することは問題ないとされていますが、クレームの恐れがあるため、他社のサービス名は広告文に含めない方が無難です。
リスティング広告の運用においては、他社の商標権を尊重し、慎重な運用が重要です。
▼詳しくは下記リンクよりご確認ください。
①商標の使用許諾の申請(検索広告における商標使用制限について/Yahoo! JAPAN)
②キーワードとしての商標の使用(商標/Google広告ポリシー)
リスティング広告の出稿手順
前項の予備知識を確認したら、次はリスティング広告の出稿に移ります。
以下では、出稿のステップを掲載媒体別(GoogleとYahoo!)で、わかりやすくご紹介します。
出稿ステップ|Google版
①Googleアカウントの開設
Google広告の公式ページにアクセスし、「今すぐ開始」をクリックして必要な登録情報を入力する。
②キャンペーンの作成
キャンペーン作成ページに移動し、目的を選択する。
その後、キャンペーンタイプを「検索」に設定し、「続行」をクリック。
③ターゲットの選定
配信先地域やオーディエンスカテゴリなどのターゲットを選択する。
④予算の設定
1日あたりの平均費用を入力し、支払い情報(クレジットカード情報)を登録する。
⑤広告オプションの選択
キャッチコピーやリンク・電話番号などの広告表示オプションを選択する。
⑥広告グループ・キーワード設定
広告グループの種類を選択し、「標準」を選んで次に進む。適切なキーワードを入力する。
⑦広告内容の作成
主に広告の最終ページURL、広告見出し、説明文を入力する。
⑧入稿と広告審査
広告の入稿が完了すると、媒体側で広告審査が行われ、問題がなければ広告が配信される。
出稿ステップ|Yahoo!版
①Yahoo! JAPAN ビジネスアカウントの取得
公式ページから、必要な登録情報を入力し、SMS認証やパスワードの設定を行いビジネスアカウントを取得する。
②広告管理ツールにログイン
IDとパスワードを使って広告管理ツールにログインする。
広告運用の経験が少ない場合、「かんたんDAS」という機能を利用して広告の自動運用も可能。
③銀行口座やクレジットカードの情報を入力
広告費用の支払いに使用する銀行口座やクレジットカードの情報を入力する。
④キャンペーン作成と広告審査
広告配信のキャンペーンを作成し、キーワードや1日の予算を決定する。
その後、約3営業日で広告審査が行われ、広告配信が開始される。
リスティング広告の運用手順
リスティング広告の運用では、単にCPA(1CVを獲得するためにかかった費用)を追求するだけでなく、広告配信の目的を明確にし、成果に対して費用対効果を評価することが重要です。
運用担当者は、下記のステップで適切な最適化に努めましょう。
① 初めにCPAを算出しよう
リスティング広告の成功を評価するために、最初にCPAを算出しましょう。
限界CPAと目標CPAを設定します。
限界CPAは最大広告費用で利益が0になる単価を示し、目標CPAは利益を出しつつ達成したい単価を設定します。
② 広告配信の目的を明確にしよう
広告を配信する目的を明確に定義します。
商品の初回購入だけでなく、リピート購入も考慮した顧客生涯価値(LTV)などを加味することで、より適切な目標CPAを設定できます。
③ 費用対効果を見極めよう
CPA最適化だけにとらわれず、最終的な成果に対して費用対効果を評価しましょう。
単にCPAを下げるだけでなく、広告配信対象を広げることで総利益を増やすことも重要です。
④ 分析・改善を繰り返そう
定期的な広告成果の評価を行い、必要に応じて改善を加えていきましょう。
競合他社の動向や市場の変化にも注意し、柔軟に対応することが成功への鍵です。
リスティング広告の費用の仕組み・相場
ここでは、下記の項目を通して、費用や予算まわりの情報全般を解説します。
クリック課金制
リスティング広告は、ユーザーが広告をクリックするごとに費用が発生する「クリック課金制」を採用しています。
この仕組みでは、実際にユーザーが広告をクリックしてアクセスした時点で課金が行われます。
クリック課金制のメリットとしては、広告が表示されるだけでは費用がかからないため、コストを最適化しやすい点が挙げられます。
CPC(平均クリック単価)はキーワードや時期、媒体によって異なるので、注意を払いながら計画を立てることが重要です。
費用相場
続いて費用相場についてですが、目安として中小企業の場合、月に5万円~30万円程度の予算で運用を開始して、成果が出る道筋が見えたら予算を増やしていくというケースが多いです。
一方、大企業の場合は、月に数百万円~数千万円以上の予算で運用するケースもあるので、自社の目的や規模感に応じて柔軟に予算設定することが必要でしょう。
3つの予算決定方法
リスティング広告予算を決定する方法は、主に3種類あります。
それぞれ確認しましょう。
① CPCから決定する
1つ目は、CPC(平均クリック単価)をもとに広告予算を決める方法です。
運用したいキーワードのCPCを調べ、希望するクリック数と掛け合わせることで予算を算出します。
この方法は、広告展開のシミュレーションに適しており、簡単に予算を把握したい場合に有効です。
ただし、コンバージョン単価の変動にも注意が必要です。
CPC(平均クリック単価)×CTs(クリック数) 200円 × 1,000回 =200,000円
② CV数から決定する
2つ目は、目標とするCV数(コンバージョン数)を基準に広告予算を設定する方法です。
月に100件のコンバージョンを得たい場合、CPA(コンバージョン単価)の上限が2,000円と仮定すると、以下のようにして広告予算を算出します。
CV数(コンバージョン数) × CPA(コンバージョン単価) 100件 × 2,000円 = 200,000円
この方法は、目標の成果に対しての予算設定に適しており、具体的なCV目標がある場合に有効です。
ただし、コンバージョン単価の上限を考慮する必要があります。
予算を増やすことでコンバージョン獲得が難しくなる可能性があるため、注意して計画してください。
③ 売上目標から決める
3つ目は、売上目標に基づいて広告予算を決定する方法です。
まず、クリック数に対するCVR(コンバージョン率)を算出し、必要なCTs(クリック数)とCPC(平均クリック単価)から予算を算出します。
売上目標達成に必要なCTs ÷ CVR ×CPC 1000クリック ÷ 0.01 (CVR 1%) × 200円 = 200,000円
この方法は売上目標に合わせて具体的な予算を立てるため、経営層にとって重要な視点となるでしょう。
代理店への依頼費用の相場
代理店によるリスティング広告運用の代行費用は、狙うキーワードや目的によって異なります。
最低金額の目安は約15万円前後と言われています。
例えば、「株式会社YZ」「営業代行 比較」といった行動が明確で、特定少数の企業を表す指名キーワードは成果が出やすく、競合他社が少ないため、入札単価やCPCも低くなる傾向があります。
一方で、狙うキーワードの競合性が高くなるほど、料金は上昇していくことに留意してください。
「営業 効率」「テレアポ きつい」などのキーワードで潜在層へアプローチする場合は、50万円前後の費用が必要になるケースもあるでしょう。
リスティング広告運用代行費用の内訳として、以下の通りです。
1. 初期費用 広告配信の事前準備にかかる手数料です。 ただし、すでに広告アカウントを保有しており、広告キャンペーンも実施済みなどの理由で、初期費用を免除してもらえる可能性もあります。 2. 広告費 広告の掲載自体にかかる費用で、代理店ではなく広告掲載媒体にクリック課金制で支払います。 3. 運用代行費用 リスティング広告代理店に支払う手数料です。 一般的に、運用代行費用は広告費の約20%が相場とされています。 4. 最低手数料 広告代理店は、大半のケースで最低限の利益を確保するために、代行運用手数料に最低ラインを設けています。 そのため、広告費用が一定の金額に満たない場合でも、最低手数料分は支払う必要があります。
以上の費用を考慮して、リスティング広告代理店への依頼費用を見積もる際には、自社の狙いたいキーワードや目的に合わせて比較検討を行い、費用対効果を考慮した上で最適な代理店を見つけましょう。
成果を最短で出すリスティング広告運用ノウハウ
リスティング広告の成果を最短で高めるためには、以下の4点が重要です。
KPIから逆算して施策を決定する
まずはKPIを設定し、それを達成するための施策を逆算して計画的に実施することが重要です。
最初に、広告を出稿する目的・目標を明確にしましょう。例えば、「売上を10%増加させる」という具体的な最終目標を立てることで、今後の施策の方向性を決定することができます。
次に、KPIを決定します。例えば、「CPA(コンバージョン単価)が10,000円以内」といった具体的な数値を設定し、具体的なアクションに落とし込むことで、効果的な広告施策を展開することができます。
運用するなかで、別の数字に目線がズレてしまい、目的を見失うのは避けたいところです。
そのため、このように目的を明確にし、KPIから逆算して計画的に施策を行うことは、広告運用の成功に不可欠な要素です。
キーワード選定の最適化
リスティング広告の成功を左右する最大の鍵が、キーワード選定です。
最初に、主要キーワードを決定します。
主要キーワードとは、自社が販売する商材を一言で表すキーワードです。
例①:営業代行サービスを提供していれば「営業代行」
例②:美容サロンを経営していれば「美容サロン」
主要キーワードを決定したら、それに関連する同義語・類義語を洗い出します。
洗い出したキーワードは「顕在キーワード」「潜在キーワード」などのジャンルごとにカテゴライズしましょう。
顕在キーワード:今すぐ商品を購入しそうなユーザーが検索するキーワード 潜在キーワード:ニーズはあるが、まだ検討段階にあるユーザーが検索するキーワード
リスティング広告は、比較検討段階にあるユーザーをターゲットとした運用型広告です。
したがって、顕在キーワードを選定する方が有効で、「認知」「興味」段階のユーザーには向いていないことを理解しておく必要があります。
関連キーワードをカテゴライズしたら、マッチタイプを設定しましょう。
マッチタイプには、「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」がありますが、理想的な運用目安としては、「完全一致」のコスト比率が90%以上です。
運用開始後もキーワードの見直しと除外を継続的に実施し、無駄な広告出稿を減らすことで費用対効果を高めましょう。
広告コピーを作り込む
まず、ユーザーの心に響くような内容や、課題を解決できるような広告文を作成することが大切です。
ただし、誇張表現は避けるようにしましょう。
安易に設定してしまうと景品表示法違反や出稿審査に通らない恐れがあります。
そのため、「国内最大」「業界最安値」などの根拠が疑われるような表現ではなく、誠実な広告コピーを発信することで、ユーザーとの信頼関係を築き上げることを意識しましょう。
さらに、ユーザーの購買意欲を高めるライティングのコツは、下記の5つです。
- 具体的な数値を入れる
- 検索キーワードを含める
- 期限を明示する
- 次の行動ハードルを下げる
- 競合優位性を伝える
さらに、広告の効果を最大化するためには、定期的なABテストが欠かせません。
ABテストとは、異なる要素を持つ広告を出稿し、そのパフォーマンスを比較するテストです。
数字の有無や、訴求ポイントなどの視点で仮説を立てて、成果をもとに広告コピーの最適解を探すことが重要です。
LPで購買意欲を高める
リスティング広告運用では、CVに最も近い部分(=LP:ランディングページ)から改善していくアプローチも効果的です。
せっかく広告から遷移したユーザーが、CVの直前で離脱してしまうケースを防ぐために、最低限の整備を行いましょう。
具体的には、広告文に記載した情報がLPのファーストビュー(最初に目に入る部分)にも含まれているかはチェックしましょう。
作成したLPにはどこからユーザーが訪問して来るのかを考え、ファーストビューの連動性を意識することは、リスティング広告に限らず大切です。
なぜなら、訪問元と同じ情報が含まれていないと、ユーザーはその時点で戸惑い、離脱率が高まる傾向があるからです。
その他、以下の点を留意してLPを設計しましょう。
- サイトの内容がユーザーに明確に伝わるか
- CVを促す魅力的なデザインか
- スクロール無しで情報が完結しているか
- エラーページになっていないか
- 誤字脱字がないか
まとめ
リスティング広告は検索エンジンの発展とともに普及し、現在ではWebマーケティングの中でも主要な広告手法の1つとなっています。
本記事では今回、リスティング広告の全体像をWebマーケ初心者の方に向けて、丁寧に分かりやすく解説しました。
リスティング広告は、低予算でも購買意欲が高い顕在層に、ピンポイントでアプローチできる魅力的な広告手法です。本記事を参考に、明日から是非挑戦してみてください。
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