現在営業職に就いている人の中には、営業成績がなかなか伸びず、社内での立場に不安を感じている人も多いと思います。
営業はちょっとしたコツを掴むことで、スランプから脱出でき、やりがいを感じられる花形の仕事です。しかし一方で、アポイントが取れない、売上不振などが続くと辞めたくなることもあるでしょう。
そこで今回は、営業成績が上がらない理由、営業で成果を上げる12のコツを解説します。
営業で成績が良い人の特徴が詰まっているので、お悩みの営業職の方は是非参考にしてください。
営業成績が上がらない3つの理由
営業成績が上がらない理由として、主に以下の3つが考えられます。
理由を考える際、外部要因と内部要因で分けることが出来ますが、この場合は内部要因に絞って考えるべきでしょう。
それでは、3つの理由をそれぞれ詳しく見てみましょう。
事前準備が不十分
営業で成績が伸びない理由1つ目として、事前準備が十分にできていない事が挙げられます。
商談の中で、聞かれたことに上手く回答できなかった、何を話してよいか分からない瞬間があったという経験はありませんか?
実は近年、デジタルツール等の発展により、事前準備の重要性は年々増加しています。
調査結果から明らかの通り、商談成約率にも大きく関係してくるため、営業の準備は事前に必ず実施すべきといえるでしょう。
そして、その重要性を理解していながらも、準備ができていないと回答している方が多い背景には、正しい方法で準備を実行できていない事が考えられます。
下記の記事で、その詳細について解説しているので必ず併せて確認しましょう。
欠けている営業スキルが分かっていない
2つ目のよくある理由は、自分自身に欠けている営業スキルを知らない事が挙げられます。
営業で必要なスキルは、コミュニケーション能力やヒアリング能力など多岐に渡りますが、あなたは自身のスキルでどこが秀でていて、欠けているのか理解できていますか?
実際に「営業で必要なスキルは何だと思いますか?」というアンケートで、上記の結果が出ました。
見ての通り、15種類以上のスキルがバランスよく幅広く必要だと考えられていることが分かります。
上記の項目を参考に、社内の営業メンバーに自分の強み・弱みを聞いてみて、客観的に自分のスキルを把握することで、「強い部分を伸ばす」「弱い部分を補う」の両方の方向性を検討してみましょう。
クライアントの潜在的課題を聞き出せない
「営業の秘訣はヒアリングで課題を聞き出すこと」とわかっていても、なかなか相手に心を開いてもらえず、営業スランプに陥ることがよくあるでしょう。
そして、現代の営業は「インサイトセールス」が主流になっており、単にクライアント側が考えている課題を聞き出すだけでは不十分です。
営業担当者はクライアントの現状を綿密にヒアリングし、その上でクライアントが気付けていない潜在的な課題(インサイト)を掘り出すことが求められるようになっています。
商談回数を重ねてPDCAを回すことで、改善の余地はあるので、以下に紹介するコツを是非実践してみてください。
▼インサイドセールスの詳細はこちらをご覧ください。
営業の商談で成果を出すコツ5選
ここからは、営業の商談のコツを6つ紹介します。
ご自身ができていない点を見直していただき、これから商談をする際に以下のことを実施するよう心がけてみると、成果が上がりやすくなるでしょう。
商品を売らず「価値」を売る
もちろん、営業の最終ゴールは商品を売ることですが、商品を売ろうとしていても決して成果は出ません。
「売ろう」という気持ちは言わなくても相手に伝わるため、一方的に商品について語っても、むしろ煙たがられてしまいます。
結論、顧客にとっての「価値」は、商品自体ではなく「その商品が解決できること」です。
例えば、デスクチェアを売りたいとき、その機能性やデザインなどのスペックを紹介していても、顧客の心には響かず売れません。心に響くのは、そのデスクチェアを購入する事で解決できることです。
成果を出せている営業マンは、このような「価値」をしっかりと訴求することで、顧客の心を掴んでいると言えるでしょう。
「得」よりも「損」を強調する
前項で、「商品が解決できること」が顧客にとっての「価値」だとお伝えしましたが、トップ営業はその伝え方までも工夫しています。
行動経済学で有名な「プロスペクト理論」によると、人間には得する喜びよりも損する苦痛の方が2倍大きいという性質があります。例えば、1万円を手に入れた時よりも1万円を失くした時の方が、皆さんは心に衝撃を受けたはずです。
そのため、営業では購入によって得られる効果(得)よりも、買わないと発生する問題(損)を強くイメージさせて、それを避けたいと思わせることがポイントです。
先程のデスクチェアを例にとって考えると、下記のように伝えることができます。
購入によって得られる効果(得) | 買わないと発生する問題(損) |
---|---|
長時間のデスクワークができるようになる | 短時間しかデスクワークができない |
長期間にわたって使い続けられる | 再購入の手間とコストがかかる |
アイスブレイクの準備をする
成果を出している営業マンは、その場の必要に応じて、本題に入る前にアイスブレイクを設けています。
アイスブレイクでは、氷を溶かすという言葉のまま、緊張をほぐすために「一般的な話題の雑談」を入れます。その話題にも適切なものと不適切なものがあり、ここではビジネスシーンに適したテーマをご紹介します。
これらの話題を扱う上で、前提として重要なのは相手を気にかける姿勢です。
「来週は3連休ですが、どこかお出かけなさる予定とかありますか?」など、自分が話したいことを話すのではなく、雑談を通して顧客のプライベートにおける価値観や共通点を探すことが目的だということを忘れてはいけません。
堂々と落ち着いて振舞う
意外と忘れがちなことですが、商談時は堂々と落ち着いて話すだけで、顧客からの印象はガラッと変わります。自信がなさそうな素振りやボソボソとした話し方は、誰から見ても信頼感に欠けるはずです。
逆にいうと堂々と話すだけで、提案内容に説得力や納得感が感じられ、商品の魅力も伝わりやすくなります。
実際に「メラビアンの法則」では、言葉に対して感情や態度に矛盾があった場合に、言葉以外からの情報を重視しやすい(93%)という研究結果が出ています。
そこで、営業の商談時における非言語コミュニケーションのコツをまとめてみました。
話し方や身振り手振りは練習すれば身につけられるので、ロープレなどから実践してみてください。
イエスセット話法で購買意欲を高める
イエスセット話法とは、最終的なゴールでYESをもらうために、小さなYESを複数回引き出していく話し方です。
これは、人間が質問に対して「YES」を重ねると、その後の質問にも「YES」と答えたくなる心理的性質に基づいた手法で、無意識のうちに顧客の購買意欲を高めることができます。
ただ、あからさまに商品の購買へ誘導するような尋問形式は、マイナスの評価につながるためNGです。あくまでも自然な流れで「はい」と言ってもらえるような会話を心がけましょう。
下記の例文は、テレアポを想定したイエスセット話法の利用イメージです。
本記事では営業成果を高めるコツとして、5つをピックアップしましたが、セールスガイドではその他にも様々な最新の営業ノウハウを発信しています。ぜひ併せてご覧ください。
営業マンとしての心得7つ
営業として成果を出すためには、商談以外の場でもできることがたくさんあります。
商談の前後や、日頃からやっておくべき営業のコツを見ていきましょう。
作業を効率化する
営業に専念するためには、営業以外の仕事を効率化する必要があります。
たとえば事務作業などに時間を取られている場合は、アシスタントに業務をお願いしたり、デジタルツールを使うなどして時間を短縮しましょう。
なるべく不要な業務はそぎ落とし、売上を出すことに注力することが成果を上げる秘訣です。
▼営業事務・アシスタントについては、下記の記事をご覧ください。
事前準備を入念にする
先述しましたが、商談の前には事前準備を入念に行うことをおすすめします。
トークスクリプトや営業資料の作成といった、必須の準備に力を注ぐことがもちろん、自社商材のインプットや顧客情報のリサーチも不可欠です。
そして、課題や提案の仮説立てをする習慣をつけましょう。大切なのは、顧客ごとに「顧客の課題・課題に対する解決策・叶えられる理想」をセットで考えておくことです。
以下は、その仮説立ての一例です。
デジタルツールを活用する
既に利用されている方も多いと思いますが、営業効率を高めるためにデジタルツールを使うこともおすすめです。たとえばSFAなどの営業支援ツールを使うと、営業進捗の報告をチーム間でしやすくなります。
またクライアントが忙しいのであれば、直接訪問するのではなくZoomなどを使ってオンラインで商談をすることも有効です。
デジタルツールは業務効率化の大きな助けになり、その分浮いた時間を営業に充てられるようになります。使えるツールは積極的に活用して、成果を出しやすい環境を構築してください。
スピーディーに対応する
商談を進めていく中で、クライアントから要望や質問をもらうことがあればスピーディーに行いましょう。
「鉄は熱いうちに打て」ということわざの通り、時間の経過とともに相手の熱は冷めてしまいます。
なるべく早く対応すると、その後のやり取りにおいても安心感を持ってもらえますし、真摯な姿勢が伝わり成約につながりやすくなるでしょう。
商談ごとに目的やゴールを決める
営業活動の目的やゴールを明確にしておくと、成約までのイメージが湧き、商談後の振り返りもしやすくなります。
最終ゴールは成約ですが、一度の商談では達成できないことが多いため、1回ごとにそれぞれ目的やゴールを設定していくことが大切です。
また、PDCAを回す際に必要となるKPI目標の例としては、下記のようなものが挙げられます。
身だしなみをチェックする
基本的なことですが、髪型や服装、靴などの身だしなみも気を付けたいところです。
先程ご紹介した「メラビアンの法則」でも、視覚情報は55%を占めているため、ボサボサな髪やシワが入ったスーツなどは印象を大きく落としてしまいます。
営業は、会社の顔とも言われる花形の仕事ですから、清潔感のある見た目を意識して、鏡で外見を確認してから商談挑むようにしましょう。
▼営業の身だしなみについては、下記の記事で詳しく解説しています。
組織としてリソースを管理する
営業組織としての最終的な目的は、「売上拡大やアポイントメント数の増加」です。その際、社内のリソースや育成だけではその目的を実現できない場合があります。
その場合、企業は営業活動を2つの選択肢からアウトソーシングする必要性が出てきます。
- 営業代行会社を活用する
- 外部の営業支援ツールを導入する
本来、どちらかを選択する形で実施されますが、「mycsess」は両方の要素を取り入れたサービスです。これは、株式会社YZが運営している小規模事業者特化の「マッチングプラットフォーム」です。
AIを駆使して潜在顧客のアポイントを低リスクで獲得し、小規模事業者の売上拡大を積極的に先導・アシストする新たな営業支援のスタイルです。是非、こちらも併せてご検討ください。
まとめ
営業が成果を上げるためのコツを紹介しました。
商談を成功させるためには、商品を売ることを優先せずに相手の課題を解決することを最優先にしましょう。
そのためにはまず相手に奉仕して、役立つ情報を届けることから始めてみてください。
また商談の前後でも入念な準備や事務作業の効率化をして、商談に専念できるよう工夫してみることが大切です。
紹介したコツを一つずつ試して、着実に売り上げ数字に結び付けていってください。
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