「営業中の話し方に不安がある」
「オンライン営業での会話のコツを知りたい」
このように考えている営業担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
オンライン営業では対面型とは違う話し方を身に付けることで、さらに成約率を高められます。
今回の記事では、オンライン営業で実践すべき話し方、トップ営業に共通するトークスキル、スクリプトなどを中心に解説します。
このように考えている方は、ぜひ最後まで参考にしてみてください。
対面営業とオンライン営業の話し方の違い
対面営業とオンライン営業の違いについて、下記のデータを参照するとよく理解できるでしょう。
アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンは、1971年に話し手が聞き手に与える影響をデータ化した「メラビアンの法則」を提唱しました。
話し手が相手に与える割合は、「視覚情報55%・聴覚情報38%・言語情報7%」となっており、言葉に対して感情や態度に矛盾があった場合に、非言語情報からの情報を重視しやすい(93%)ことがわかります。
ただし、上記の法則はあくまでも対面上のものであり、オンライン上の会話では視覚的な情報が減るため、話し方に基づく聴覚情報のウェイトがさらに高まります。
そのため、オンライン営業では非言語領域の「話し方」を極める必要があります。
逆に、話し方のコツさえ押さえれば、成約率を大きく上げやすいのが、オンライン営業とも言えます。
オンライン営業が上手い人のトークスキル5選
オンライン営業が上手い人のトークスキルとして、以下の5つが挙げられます。
それぞれのトークスキルをマスターして、オンライン営業の成約率を高めましょう。
ブーメラン話法
ブーメラン話法とは、顧客の主張を逆手にとり、マイナスイメージをプラスに変える手法です。
オンライン営業では、オファーをして商品説明を始めたところから、以下のように活用できます。
- 顧客
「値段が高いのが少し気になるんですよね」 - 営業
「値段が高く設定しているのは機能性が高いためです。実は競合他社と比較しても、この価格でここまでの機能を搭載している商品はありません。」
顧客がマイナスイメージを持っている際は、このようにブーメラン話法を活用してみましょう。
復唱話法
オンライン営業では、復唱を時々織り交ぜることで、相手からの共感を得やすくなります。
相手の言ったことを「なるほど、〇〇は△△ということですね」と、さりげなくフォローするように繰り返しましょう。ただし、復唱する際は、ただ繰り返すだけではなく自分の言葉で言い換えることが大切です。
復唱話法を身に付けるためにも、上司とロールプレイングを行い習得しましょう。
言い換え話法(イエスバット話法)
イエスバット話法とは、相手の意見を肯定した後に「しかし」と否定する話法です。
相手の気分を害さずに否定できる話法なので、早期に習得しておく必要があります。
- 顧客
「このサービス、少し価格が高くない?」 - 営業
「仰る通りです。しかし、テクニカルサポートや5年保証がついている点を踏まえると、お買い得といえるのではないでしょうか?」
このように相手の意見を受け入れたうえで、自分の伝えたいポイントを話すことが可能です。
例え話法
例え話法とは、例え話を用いて顧客にイメージさせて、購買意欲を促進させる手法です。
特にクロージングの段階で活用すると、成約率を高めやすくなります。
- 営業
「例えば、弊社のサービスを導入した〇〇社では導入後のCVRが△%向上しました」 - 顧客
「おお!すごい!導入後にそれだけの成果が出ているのは素晴らしいですね!」
例え話や事例を話に織り交ぜられるかどうかで成約率が大きく変わってくるので、早期に習得しておきましょう。
さしすせそ話法
さしすせそ話法とは、相槌を打つ際のテクニックで、活用することで相手の承認欲求を満たしたり、人間関係の基盤を作れたりします。
以下の構文をチェックしたうえで、実際のオンライン営業で活用してみましょう。
- さ:さすがですね(承認欲求を満たせる)
- し:知らなかったです(成功者と距離が近づく)
- す:素敵ですね(自己重要感を満たせる)
- せ:センスがありますね(承認欲求を満たせる)
- そ:そうですね(人間関係の基盤作りにつながる)
オンライン営業の話し方のコツ5選
ここまで紹介したトークスキルをより効果的に活用するために重要なのが、話し方です。
さらに成約率を高めるためにも、以下の5つの話し方を習得しましょう。
トークの質を格段に上げられる話し方なので、ぜひ参考にしてみてください。
意図的にアイスブレイクを入れる
アイスブレイクとは、本題に入る前に雑談などをして相手との距離感を近づけたり、場の緊張をほぐしたりするテクニックです。
アイスブレイクの目的は「どのくらい砕けて接するべきか見極める」ことです。営業マンとの付き合い方は人それぞれなので、意図的にアイスブレイクを入れて最初に確認してみましょう。
特に初回の場合は、お互いで緊張している場合もあるため、自分をいじるような簡単な冗談を入れるのがおすすめです。
落ち着いてゆっくりと話す
落ち着いてゆっくりと話すことで、相手にとってわかりやすいうえに信頼感や安心感を与えることが出来ます。
焦って急いで話すと、相手側が聞き直す必要が出てくるので、ストレスの原因にもなります。特にオンライン営業は、環境によって音声が聞き取りづらい場合もあるので注意が必要です。
ただし、速度がゆっくりで冗長に受け取られないように、文章は短く切ってテンポ感を意識することがポイントです。
会話のキャッチボールを意識する
一方的に自分が伝えたいことばかり話していると、会話になりません。
無意識のうちに自分がずっと話している場合もあるので、常に会話のキャッチボールを意識することが大切です。
自分が伝えたいことばかり話している営業マンは、相手から信用されません。
常に会話のキャッチボールを意識して、会話量は7:3程度を目安にして相手と対話することが大切です。
不明点や齟齬がないか都度確認する
オンライン営業では、ニュアンスが伝わりにくいだけでなく、音声トラブルで音が途切れてしまう状況も想定されます。
そのため、画面の前で発した言葉が相手に届いていないケースも念頭に置き、対面の商談よりも頻繁に、不明点や齟齬がないかを確認することが推奨されます。
また、同じことを何度も説明すると、相手の記憶に定着しやすくなるので、こちらとしても大きなメリットがあります。
以下のタイミングで「ここまででご質問やご不明な点はございますか?」と、相手の理解度を探るようにしてみましょう。
- 商談フェーズが変わるタイミング
- 話題を変えるタイミング
- 相手の顔色が曇ったタイミング
ディズニーキャストになりきる
オンライン営業は、対面よりも不信感を抱かれやすい傾向にあるため、相手に好印象を与える姿勢が大切です。
そこで1つの手段として、ディズニーキャストになりきってみると良いでしょう。
ディズニーキャストは明るくハキハキと話すのが特徴で、誰に対しても良い印象を与えられる話し方を徹底しています。
ディズニーキャストが徹底する以下の3つの話し方を、是非オンライン営業でも取り入れてみましょう。
今回挙げた話し方のテクニックはいずれも大切ですが、最終的には商談前の準備が重要です。
特にトークスクリプトの練りこみが商談のカギを握るので、次項で詳しく解説します。
オンライン営業のトークスクリプト作成のコツ
オンライン営業で効果的なトークスペクトのポイントとして、以下の3つがあります。
オンライン商談をする場合、トークスクリプト(≒カンペ)を出した状態でのプレゼンが可能なので、上手く活用しましょう。
トーク展開を意識する
オンライン営業においてトークスクリプトを練る際は、どのようにトークが展開していくか想定しておくよ良いでしょう。
「アイスブレイク→ヒアリング→プレゼン→クロージング」という鉄板の展開が想定される場合は、それぞれの流れが上手く繋がるように作るだけなので簡単です。
オンライン営業は、環境的に対面と比べてイレギュラーな展開になりにくいため、トークがイメージ通りに展開していく場合が多いです。ただし、録音・録画の承諾やWeb会議システムの説明など、オンラインだからこそ必要となるトークの展開もあるため、しっかりと想定しておきましょう。
そのため、対面営業よりもトーク展開を意識したスクリプト作成が重要となります。
具体的な情報を盛り込む
具体的な情報が盛り込まれていると、相手が話を聞いていてイメージしやすくなります。数字やグラフ、図表などの資料とともに説明できると、具体性・説得力が高まります。
オンライン営業は特性上、実際に商品を手に取ってみて試してみて判断することが出来ません。そのため、対面よりも情報の量・具体性でカバーすることも必要です。
「弊社の○○を導入後、A社はCVRが〇%、B社は△%アップしました!」
このように商品やサービスを導入した後、どのように変わったのか具体性を持って伝えられると理想的です。
ブラッシュアップを継続する
トークスクリプトを一度作って上手くいったとしても、他の顧客にも同じように通用するとは限りません。ずっと同じテンプレートを使いまわすのではなく、定期的に修正してブラッシュアップしましょう。
顧客と話す中で失敗したと感じたポイントは、特に優先して直すべきです。例えば、これまで文章で説明していた箇所を、図やグラフにしたらさらに分かりやすくなるかなどが検討できます。
Web会議システムならではの録画・録音機能を活用して、社内で共有しながらブラッシュアップしていきましょう。
▼会議ツールを上手く活用しきれていない場合は、下記を参照してください。
オンライン営業で役立つ「話し方」必読書3選
オンライン営業で役立つ話し方を学べる本として、以下の3つがおすすめです。
- 『伝え方が9割』 / 佐々木圭一
- 『営業1年目の教科書』/菊原 智明
- 『話し方で損する人得する人』/五百田達成
それぞれどのような本なのかチェックしていきましょう。
『伝え方が9割』 / 佐々木圭一
「伝え方が9割」は、コミュニケーションで伝えるためのテクニックを磨くための書籍です。
サプライズ法、ギャップ法などさまざまな話法を網羅しているため、1冊で幅広い会話テクニックを磨けます。
営業で役立つのはもちろん、スピーチやプレゼン、日常生活でも応用できるテクニックが学べる良書です。
『営業1年目の教科書』/菊原 智明
「営業1年目の教科書」は、トップセールスが実際に使っている営業テクニックが学べる本です。
イラストが要所で入っているため理解しやすく、初めて本格的に営業を学びたい人に向いています。
営業1年目の方だけではなく、ベテランの方にも役立つテクニックが網羅されているので営業に行き詰っているという方にもおすすめです。
『話し方で損する人得する人』/五百田達成
「話し方で損する人得する人」は、得する話し方と損する話し方を具体例を用いながら解説している本です。
良い例だけではなく、悪い例も載っているため、自分の話し方を直したいという方に役立ちます。
「いまいちオンライン営業で成約に結びつかない」「会話における顧客の反応があまりよくない」と感じる場合は、ぜひ手に取って学んでみると良いでしょう。
まとめ
オンライン営業では、対面営業よりも話し方や内容が特に問われます。
話し方やテクニックを知っておくことで、相手からの反応が大きく変わってくるでしょう。
オンライン営業で成約に結びつけるためには、トークスクリプトの練りこみも大切です。
今回はトークスクリプトのポイントも解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
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